写真提供:欧州委員会

SNU Summer program参加者からのレポート(2)

サマースクールに参加して
慶應義塾大学 文学部 人文社会学科
人間科学専攻四年 内田藍

バルセロナにて

バルセロナにて

言いたいことを一言で表すとなれば「参加して良かった。」ということです。講義を通して感じたことと学生との交流についての2点について書きたいと思います。

<講義を通して感じたこと>

正直に言うと、EUへの興味はあったものの、知識はほぼありませんでした。しかし、バルセロナでEUについて基礎から学べたので初めて学ぶ私でも授業についていくことが出来ました。ただ、講義を聞けば聞くほどEUの組織、構造は複雑怪奇で明解に定義出来ないと感じるようになりました。ベルギーの学生に「EUってどんなものだと思う?」と聞くと、「よくわからないよ。」とあっさり言われました。ブリュッセルにはEUの本部があるので、ベルギーの学生はEUについて理解していると考えたのですが、本部に住んでいるからEUへの深い理解が出来るというのは間違いだったようです。スペインの学生も同じで「よくわからない。」というのが答えでした。EUという組織は市民、国などあらゆるものを越えて存在していると感じました。と同時に、市民のEUに関しての理解を深める必要の是非に辿りつきました。しかし、EUは市民、国を超越しているから上手く働いているのかもしれないと感じます。この問いについては今後考えていきたいと思っています。

このサマースクールの本題の東アジアの統合の可能性についてです。実現はなかなか難しいと思います。しかし、まず統合の可能性があるかないかよりも、統合の必要の是非についてが重要なのではないだろうかという結論に辿りつきました。バルセロナでFernando 教授が繰り返し強調していたのは「EUは統合そのものが目標なのではなく、問題を解決するためのツールなのだ。」ということです。私はこれに共感しました。まず、東アジアの統合を考える上ですべきことは、我々東アジアの人間が直面している問題を見極め、どうお互いの利害を調整して、解決に向かわせるかを考えていくことだと思います。

<学生との交流>

四カ国からの学生総勢31名との交流は文化の違いも感じることが出来、興味深かったです。二カ国ではなく四カ国というのも良かったです。より、お互いを客観的に見ることが出来たと思います。文化間の違いを挙げると、スペインでは、時間が常に遅め、遅めで動いていました。少しの遅刻はお咎めなし、夜ご飯が遅いなど時間がゆったりと流れていました。私達はそれを「スパニッシュタイム」と名付け、楽しんでいました。韓国では、街の雰囲気が日本とあまり変わらない印象を受けましたが、学生は日本の学生よりも主張が強いと思いました。また、韓国の学生は日本の学生よりも熱心に勉強をしていると感じました。ベルギーの学生はユーモアがある学生が多かったように感じます。今回訪れることは出来ませんでしたが、是非行ってみたいと思いました。また、日本でも一橋、慶應、津田塾と3大学から学生が集まっていて、他大学の学生と関わることが出来たのは面白い経験でした。

初めは韓国人の子、ベルギーの子、スペインの子、一橋の子、慶應の子、津田塾の子という見方ではありましたが、最後にはそれぞれを1人の人間として国籍や大学など関係なく、理解することが出来ました。2週間という短い期間で30名もの大事な友人が出来ました。誰一人として話さなかった学生はいません。全員と交流することが出来ました。彼らは私のかけがえのない友人になりました。

授業の他に、スペインでは大学のキャンパスツアー、スペインのバルでの飲み会、ガウディをはじめとする建築ツアー、海辺での飲み会やスパニッシュクラブ、フェアウェルディナー、バルセロナ観光など皆でたくさんのことをしました。

韓国でも大学主催の食事会、ソウル大学校を訪問、景福宮という古宮を訪問、サウナ体験、マッコリを飲むなど様々なことをしました。

一見この記述を見ると、授業以外は遊んでいたという印象かもしれません。確かに遊んではいましたが、これらを四カ国の学生としたというところに大きな意味があったと思っています。

寮生活、授業、食事、観光を共にし、時間を共有していく中で、お互いを理解し合うことが出来ました。朝起きて、朝ごはんを共にし、授業を終え、その後も夜中まで一緒にいて、おやすみを言うまでずっと皆と一緒にいました。毎日が新しい毎日でしたが、この毎日がずっと続くのではないかという錯覚まで生まれました。それほどまでに、皆と一緒にいたのです。2週間という短い期間でしたが、それ以上のものを得ることが出来た2週間だったと思います。

このプログラムに参加してEUについてスペイン、韓国、日本の偉大な教授陣から学ぶことが出来、EUについてさらに興味が湧きました。そして、何よりもかけがえのない友人が出来たことが財産となりました。今回のサマースクールに参加して、心から良かったと思っています。ありがとうございました。