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EUSIメールマガジンVol.110 (2017年2月26日)「EUエネルギー外交におけるインフラ政策との連関」(アジア・太平洋EUセンター大学院生ワークショップ参加報告)

◆EUSIメールマガジン Vol. 110 (2017年2月26日)◇

 http://eusi.jp/ 

EUSI (EU Studies Institute in Tokyo)は、一橋大学・慶應義塾大学・津田塾大学の3校のコンソーシアムによる、
EUに関する教育・研究・広報を行う拠点です。
(詳しくは以下をご覧ください)
http://eusi.jp/about/

【アジア・太平洋EUセンター大学院生ワークショップ参加報告】

「EUエネルギー外交におけるインフラ政策との連関 (台湾での国際ワークショ
ップ参加報告をかねて)」
石井雅浩 (一橋大学大学院法学研究科法学・国際関係専攻博士後期課程)

昨年12月、台湾の国立台湾大学に於いて行われたEUTW JM国際ワークショップ
“EU New Trade Strategy and Inter-regionalism” に併せて、アジア・太平洋
大学院生ワークショップ “Crisis and Opportunity for the European Inte-
gration under Challenge” が行われた。私はこれにEUSIから参加させていた
だいた。

本エッセイでは、その様子と拙報告 “Infrastructure as a Mean of Energy
Diplomacy” について簡単に紹介させていただきたい。

1. 国際ワークショップの様子
国際ワークショップは、欧州経済貿易事務所 (歐洲經貿弁事處、EETO) のMs.
Majorenko處長の基調講演から始まった。
ワークショップでは、15本の研究報告がなされた。EUが進める自由貿易交渉に
関連し、EU-カナダのCETA 、EU-アメリカの自由貿易交渉であるTTIP、アメリカ
とアジア太平洋の枠組みであるTPP、EUとアジア諸国との貿易交渉、中国が進め
る「一帯一路」戦略とV4諸国との関係、Brexitが与える影響、ISDS条項などを
複合的に扱う幅広い報告がなされた。
 ・・・
(続きはこちら↓)
http://eusi.jp/outreach/outreach-report/ishii-2016/

【EUSIイベントご案内】

1. 日本EU学会より以下のお知らせが届いています
2017年度(第38回)日本EU学会研究大会報告・ポスターセッション・年報執筆募集

共通論題: 「ローマ条約60年-危機の中の再検証」

申込締切: 2017年2月27日(月) 必着
申込書類: アンケート用紙(書式有)・報告要旨
年報原稿締切: 2017年10月20日(金)

大会日時: 2017年11月18日(土)・19日(日)
大会会場: 九州大学 (病院キャンパス・馬出九大病院前駅)

詳細は以下をご参照ください
http://www.eusa-japan.org/?p=1686

【EUSI所属研究者による記事・執筆情報紹介】

Yuichi Hosoya (慶應義塾大学法学部教授、EUSI執行委員)
“Globalization and the Nation State: Can Japan and the UK Strike a Balance?”
in “Challenge and Uncertainty in a Volatile World: Japan-UK Responses”

with an essay by Catharine Ashton (EU外務・安全保障政策前上級代表)
Chatham House, UK-Japan Global Seminar Series (17 February 2017)
https://www.chathamhouse.org/publication/challenge-and-uncertainty-volatile-world-japan-uk-responses

Yumiko Nakanishi (一橋大学大学院法学研究科教授、EUSI所長)
“Completion of EU Measures Through Court Decisions: The Example of the
European Arrest Warrant,”

Hitotsubasshi Journal of Law and Politics, Vol. 45 (2017), pp. 13-21

Yumiko Nakanishi (一橋大学大学院法学研究科教授、EUSI所長)
“Japanese Environmental Law in the Context of Globalisation: A Focus
on Chemical Law,”

Timo Hebeler, Ekkehard Hofmann, Alexander Proelss & Peter Reiff (Hrsg.),
Protecting the Environment for Future Generations: Principles and
Actors in International Environmental Law

(Berlin: Erich Schmidt Verlag, 2017), pp. 283-304
https://www.esv.info/978-3-503-17174-3

【EUに関するニュース】

2017年2月1日 モゲリーニ上級代表、欧州議会で入国禁止米大統領令批判、難民に門戸開放謳う演説
2017年2月1日 欧州委員会、エネルギー同盟第2回報告書発表。2020年目標への進捗状況は概ね良好
2017年2月1日 欧州委員会、EU・ベトナムFTAの協定案を発表。全18条。法的整合性の点で最終調整
2017年2月1日 ユンカー委員長ら、ルーマニアの汚職高官釈放令に懸念、同国の審査の厳格化を示唆
2017年2月1日 EU・ペルーハイレベル政治対話、リマで開催。人権・麻薬・気候変動・通商など協議
2017年2月1日 イスラエル、ヨルダン川西岸に3000戸入植表明。モゲリーニ上級代表、反対の声明
2017年2月1日 英下院、首相にEU離脱を通告する権限を付与する法案の第1回採決。498対114で可決
2017年2月2日 EU・リビア首脳会談、ブリュッセルで開催。難民流入管理やテロ・人道支援など協議
2017年2月2日 露・ハンガリー首脳会談、ロシア産天然ガス輸出拡大等経済協力合意、EUに揺さぶり
2017年2月2日 英政府、EU離脱白書を議会に提出。1月17日メイ英首相演説の12項目目標事項を説明
2017年2月3日 欧州理事会非公式会議、リビアとの難民流入管理強化やローマ条約60周年など協議
2017年2月3日 欧州委員会、航空部門CO2削減取組合意を受け、EUの排出量取引制度(ETS)修正を提案
2017年2月3日 EU・露外相電話会談、リビア情勢・シリア情勢・ウクライナ危機に関して協議
2017年2月3日 Eurostat、昨年12月小売売上高はユーロ圏19カ国で前月比-0.3%、EU28カ国同-0.8%
2017年2月3日 英高等法院、英の欧州経済領域(EEA)離脱にも英議会の承認が必要との訴えを棄却
2017年2月5日 ルペン仏国民戦線党首、大統領選公約発表。仏EU残留・離脱問う国民投票実施等含む
2017年2月6日 EU外務理事会、リビア安定化・中東和平協議・ウクライナ改革・エジプト情勢等協議
2017年2月6日 欧州委員会、環境施策報告(EIR)発表。環境法の執行や環境問題解決への政策を評価
2017年2月6日 マルムストローム欧州委員、中国との貿易に関し同国の法治や人権等価値改善求める
2017年2月6日 モゲリーニ上級代表ら、女性器切除(FGM)の根絶のための国際デーに寄せて共同声明
2017年2月7日 EU総務理事会、3月欧州理事会準備・欧州検察局(EPPO)創設・域内国境管理など協議
2017年2月7日 スコットランド議会、英EU離脱手続開始を拒否する議案を賛成90票・反対34票で可決
2017年2月8-9日 難民に関するヴァレッタ共同行動計画2017年高官会議。2015年行動計画進捗再確認
2017年2月8日 モゲリーニ上級代表、地中海EU海軍部隊訪問。リビア海保・海軍との訓練協力を称賛
2017年2月8日 アヴラモプロス欧州委員、ケリー新米国土安全保障長官と移民問題や安保協力等協議
2017年2月8日 英下院、首相にEU離脱を通告する権限を付与する法案の第2回採決。494対122で可決
2017年2月9日 EU・米外相会談、ワシントンで開催。EU・米関係、対ロ関係、イラン核合意など協議
2017年2月9日 EU理事会及び欧州議会代表者ら、2018年「欧州文化遺産年」制定に関して暫定合意
2017年2月10日 モゲリーニ上級代表、大西洋評議会で米欧間協力の今後の展望や移民問題など演説
2017年2月10日 モゲリーニ上級代表ら、少年兵の使用に反対する国際デーを前にEUの取組謳う声明
2017年2月11日 モゲリーニ上級代表、2日間の訪米を総括、EU・米関係の重要性を改めて強調
2017年2月12日 北朝鮮、弾道ミサイル発射。EU報道官、再三の行動は安保理決議違反と非難の声明
2017年2月12日 シュタインマイヤー前独外相、次期大統領に選出。選出後演説で欧州の結束求める
2017年2月13日 EU理事会、EU・アフガニスタン連携開発協力協定締結を決定。今後の協力分野拡大
2017年2月13日 欧州委員会、2017年冬季経済予測。全加盟国で今後3年間成長予測、成長率上方修正
2017年2月13-17日 EU・フィリピンFTA交渉第2回会合、セブ島で開催。昨年5月第1回会合以来の開催
2017年2月14日 Eurostat、昨年10-12月GDPはユーロ圏19カ国で前期比+0.4%、EU28カ国で同+0.5%
2017年2月14日 Eurostat、昨年12月鉱工業生産はユーロ圏19カ国で前月比-1.6%、EU28カ国同-1%
2017年2月15日 欧州議会、EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)を承認。早ければ4月より暫定発効
2017年2月15日 第2回EU・バングラデシュ外交協議、ブリュッセルで開催。難民問題や学術協力協議
2017年2月15日 モゲリーニ上級代表、イスラム協力機構(OIC)事務局長とEU・OIC間協力推進を協議
2017年2月15日 Eurostat、12月貿易収支はユーロ圏19カ国281億、EU28カ国209億ユーロで共に黒字

【編集後記】

今回のエッセイは一橋大学大学院法学研究科博士課程の石井雅浩さんに執筆
していただきました。昨年台湾大学で行われた研究大会の報告です。アジアに
おけるEU研究のネットワーク作りは田中俊郎先生を中心に進められてきました
が、毎年行われる研究大会は若手研究者の発表の場としても重要なものとなっ
ています。
EUは現在様々な問題を抱え、その基盤が揺らいでいるようにも見えます。
日本としては、特に政治経済面での健全で強固な関係を維持していくという
現実的な要請に対処することが必要ですが、一方で、EUの状況をじっくりと
冷静に観察して、日本に対する今後の影響や示唆をどのように受け止めていく
かを考えることが必要だと思われます。若い研究者への期待はますます大きな
ものになると思います。

(藤川哲史・EUSIメールマガジン編集担当)

1970年代から80年代にかけて活躍した欧州委員の一人に、ロレンツォ・ナタリ
がいます。彼はイタリア政界で活躍した後、ジェンキンス委員会とトルン委員
会、ドロール委員会でそれぞれ欧州副委員長を務め、主に拡大や開発担当など
の欧州委員を歴任してきました。
1989年に亡くなった後に、欧州委員会が彼の功績を讃えて1992年に創設したの
が「ロレンツォ・ナタリ賞」です。これは開発や貧困撲滅などについて優れた
報道を行った人々を顕彰する賞であり、ヨーロッパのみならず、アジア太平洋、
アフリカ、中東など、世界各地から優れたジャーナリストや在野の方々が表彰
されています。
このロレンツォ・ナタリ賞の公募が、2月7日より始まっています。開発やそれ
にまつわる貧困・人権・民主主義などに関する、埋もれがちでありながら価値
あるテーマについて取り上げた記事やドキュメンタリーを掲載・発表あるいは
放送した方であればどなたでも応募できます。日本語の内容のものでも、英語・
フランス語またはスペイン語の要旨を付けることで、応募可能です。
またこの賞はジャーナリストだけに限らず、一般の方々にも枠を設けており、
昨年3月11日以降に記事やオンライン上のブログを書いて発表した方々なども
対象とされています。なお、論説のような自身の主張を前面に出した記事は
対象外であり、あくまで上記のテーマに関して問題を鋭い視線から描写した
記事や作品が対象です。
なお今年は本賞創設から25周年に当たるため、今回は開発や貧困撲滅だけでは
なく、新たに宗教の自由に関する記事や作品も対象として、募集を受け付けて
います。
アジア太平洋からの受賞者はこれまでインドや中国やパキスタンなどの方々が
多いようですが、日本でも開発にまつわる諸問題や信仰の自由について、普遍
的に通じる問題意識のもと優れた報道やドキュメンタリーを数多く生み出して
いることと思います。もしもこの問題に関心のある方々がいらっしゃれば、
チャレンジしてみては如何でしょうか。

#TellMyStory – Lorenzo Natali Media Prize:
https://ec.europa.eu/europeaid/lnp_en

(林 大輔・EUSIメールマガジン編集担当)

EUSI (EU Studies Institute) in Tokyo

〒186-8601 東京都国立市中2-1 一橋大学マーキュリータワー3504・EUSI事務局
TEL: 042-580-9117 / E-mail: info@eusi.jp

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