メールマガジン Mail Magazine

バックナンバー

EUSIメールマガジンVol.112(最終号) (2017年3月25日)「2017年3月25日:ローマ条約調印60周年を迎えるEUとEUSIメルマガ最終号」(田中俊郎)

◆EUSIメールマガジン Vol. 112 (2017年3月25日)◇

 http://eusi.jp/ 

EUSI (EU Studies Institute in Tokyo)は、一橋大学・慶應義塾大学・津田塾大学の3校のコンソーシアムによる、
EUに関する教育・研究・広報を行う拠点です。
(詳しくは以下をご覧ください)
http://eusi.jp/about/

【EUSI Commentary Vol. 092】

「2017年3月25日:ローマ条約調印60周年を迎えるEUとEUSIメルマガ最終号」
田中俊郎 (慶應義塾大学名誉教授、ジャン・モネ・チェア、EUSI理事)

2017年3月25日ローマ条約調印60周年記念式典が挙行されるが、記念ロゴの3つ
のキーワード、「平和、民主主義、連帯」に沿ってEUの現状と抱える問題に
ついて考察し、EUと日本との関係についても考えてみたい。

1. 平和
わが国では、EUに具現化されているヨーロッパ統合は、経済のイメージが強い
が、元々政治的なプロジェクトである。
「平和」こそ、国際社会に対するEU統合の最大の貢献である。1945年前のヨー
ロッパとそれ以後を比べてみれば、その違いは一目瞭然である。

1952年8月に誕生した、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)の狙いは、「石炭と鉄鋼の
資源を共同の機関の下に管理する」ことによって、「フランスとドイツの
永年にわたる対立を解消し、戦争をなくす」ことであった。

ECSCの経験を基に、欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(通称、ユーラ
トム)、欧州共同体(EC)、欧州連合(EU)まで発展し、政策領域を深化させながら、
かつ最初の6カ国から28カ国に拡大し、少なくとも域内で、最初の狙い通りに、
「不戦共同体」の構築に成功し、「平和」を確立した。

このEUに対して、2012年「ノーベル平和賞」が授与された・・・
 ・・・
(続きはこちら↓)
http://eusi.jp/mail-magazine/commentary/commentary_092/

【EUSIイベントご案内】

1. ジャン・モネEU研究センター(慶應義塾大学)「第96回慶應EU研究会」

日時: 2017年3月28日(火) 16:00-18:00
場所: 慶應義塾大学三田キャンパス 南館4階会議室

Jean-Paul COSTA (国際人権研究所所長・元欧州人権裁判所所長)
“Protection of Human Rights by National and International Courts”
(国内裁判所と国際裁判所による人権保障)

主催: ジャン・モネEU研究センター (慶應義塾大学)
参加: 無料・事前登録不要 (どなたでも参加できます)
http://www.jean-monnet-coe.keio.ac.jp/index.html

2. 第20回早稲田大学地域・地域間研究機構(ORIS)セミナーのご案内
「Analysing the Brexit: The UK and the EU」

日時: 2017年3月27日(月) 13:30-14:40
場所: 早稲田大学 26号館 4階講義室

講演: Dr. Hartmut Mayer (St. Peter’s College, University of Oxford)

主催: 早稲田大学地域・地域間研究機構(ORIS)、イギリス社会研究所
言語: 英語(通訳なし)
参加: 無料・事前登録不要 (どなたでも参加できます)
https://www.waseda.jp/inst/oris/news/2017/03/10/2028/

【EUSI所属研究者による記事・執筆情報紹介】

細谷雄一 (慶應義塾大学法学部教授、EUSI執行委員)
「始まりの1冊 『戦後国際秩序とイギリス外交』 2001年」
『読売新聞』2017年3月19日朝刊

【EUに関するニュース】

2017年3月1日 欧州委員会、「欧州の将来に関する白書」発表。今後の統合の5つのシナリオを提示
2017年3月1日 アジア欧州会合(ASEM)デー。1996年3月1日第1回ASEM首脳会合後昨年20周年受け制定
2017年3月1日 英上院、首相にEU離脱通告権限付与の修正案可決。英国内のEU市民の権利保障求める
2017年3月2日 欧州委員会、移民に関する欧州アジェンダ進捗報告等発表。各加盟国の義務履行促す
2017年3月2日 欧州委員会ら、人の移動に関する連携枠組進捗と地中海中部での移動管理へ行動促す
2017年3月2日 第3回EU・中国ハイレベル海洋総合管理対話、ブリュッセルで開催。海洋管理等協議
2017年3月2-3日 EU外務理事会通商相非公式会合、マルタで開催。反ダンピング措置や通商防衛協議
2017年3月2-3日 EU・中国官民交流・移民対話の一環で、国際移民法と国際標準シンポを北京で開催
2017年3月4日 ヨルダンで15名に対し死刑執行。EU報道官、死刑反対訴え、同国の姿勢後退を批判
2017年3月5日 英下院EU離脱委員会、離脱後も英国国内のEU市民の権利保障を求める報告書を発表
2017年3月6日 仏独伊西4カ国、仏ベルサイユで非公式首脳会議、統合の速度を多様化する案を支持
2017年3月6日 EU外務理事会、西バルカン諸国の改革進捗や軍事計画行動能力(MPCC)創設など協議
2017年3月6日 EU農水理事会、共通農業政策(CAP)将来優先事項やアドリア海の水産資源計画等協議
2017年3月6日 第15回EU・キルギスタン協力協議会、同国政治改革や通商協力・国境管理支援等協議
2017年3月6日 北朝鮮弾道ミサイル4発発射。モゲリーニ上級代表、北朝鮮は安保理決議違反と非難
2017年3月6日 米GM社、英EU離脱によるコスト高やリスクで独オペル社等を売却決定、欧州より撤退
2017年3月7日 EU総務理事会、2014-20予算中間評価やテロ防止・シェンゲン国境管理強化規則協議
2017年3月7日 日・EUハイレベル気候変動対話、東京で開催。同日パリ協定施行公開セミナーも開催
2017年3月7日 英上院、首相にEU離脱通告権限付与の修正案可決。EUとの最終合意に議会の承認要求
2017年3月8日 モゲリーニ上級代表ら、国際女性デーに寄せ、女性の社会進出などEUの取組謳う声明
2017年3月8日 英政府、2017年度予算案発表。EU離脱備え財政規律重視、成長見通し2%に上方修正
2017年3月9日 欧州理事会、トゥスク常任議長を再選。出身国ポーランドは反対。2019年11月末まで
2017年3月9日 ECB理事会、主要金利や資産購入計画を据置き、声明より追加措置示唆する文言削除
2017年3月9-10日 欧州理事会、経済改革評価や日・EU EPA含む通商交渉促進、安保・難民協力協議
2017年3月10日 英除くEU27カ国首脳非公式会議、ローマ条約60周年ローマ宣言や欧州の将来等協議
2017年3月10日 ティマーマンス副委員長ら、欧州テロ犠牲者追悼デーに寄せテロ対策協力謳う声明
2017年3月10日 仏エラベ社世論調査、仏ユーロ圏離脱反対72%。EU加盟維持利益31%・不利益37%
2017年3月13日 EU・アルジェリア連合協議会、連携協力優先事項や経済支援3点合意、共同声明発表
2017年3月13日 EU理事会、ウクライナの領土一体性侵犯への制裁を半年延長。150個人・37団体対象
2017年3月13日 英下院、首相にEU離脱通告権限付与する法案を原案通り再可決。上院も今度は追認
2017年3月13日 スコットランド首席大臣スタージョン、独立問う住民投票を2018秋-19春実施と言及
2017年3月13-19日 ERC(欧州研究会議)、10周年を記念しERC週間開催。研究助成による社会発展啓発
2017年3月14日 欧州委員会及びモゲリーニ上級代表、EUの対シリア戦略を規定した政策文書を採択
2017年3月14日 EU司法裁、イスラムのスカーフ禁止の職場内規は条件付ながら差別でないとの判決
2017年3月14日 EU海軍部隊、ソマリア北岸沖で武装海賊によるタンカー乗っ取りを確認、監視継続
2017年3月14日 王毅中国外交部長と駐中EU・EU加盟国大使、年次協議を北京で開催。両者協力協議
2017年3月15日 EU及び中国、持続的な都市開発協力枠組創設。開発や気候変動等の都市間協力協議
2017年3月15日 蘭下院選挙、極右・自由党が躍進も20議席で2位、与党自由民主党が33議席で第一党
2017年3月15日 スイス金融機関UBSグループ会長、英EU離脱通告直後に英国拠点を大陸へ移転と表明

【編集後記】

前回の編集後記でお書きしたように、EUSIの活動はこの3月末をもって終了する
ことになりました。
EUSIは2008年から準備期間に入り、2009年4月に正式に発足して以来、8年間に
わたって様々な分野でその活動を続けてきました。今回のメールマガジン最終
号では、立ち上げ以来の中心メンバーである田中俊郎慶応義塾大学名誉教授に、
掉尾を飾る論稿をご執筆いただきました。
EUSIのメルマガは100号を超え、読者の数も近年大幅に増やすことができました。
これもひとえに巻頭エッセイの執筆をはじめ、有形無形の形で様々なご協力を
いただいた多くの研究者や実務家の方々の暖かなご協力の賜物と思います。
この場をお借りして改めて感謝申し上げます。また、身内ではありますが、
毎回メルマガの編集に卓越した技術を持って当たってきた林大輔研究員の力が
なければ、ここまで続けていくことはできなかったことを申し添えさせていた
だきたいと思います。
私事ですが、2009年~2013年の間、津田塾大学で「EU概論」の集中講義をさせ
ていただいたのがEUSIとの最初のお付き合いであり、2014年からは事務局長と
して3年間勤めさせていただきました。3大学のコンソーシアム+EUのサポート
という珍しい形の事業でしたが、多くの貴重な経験をさせていただきました。
この間、多くの研究者の方、事務局の方にお世話になりました。
そして、何よりもこのメルマガをかわいがっていただいた読者の皆様に改めて
感謝とお礼の気持ちを申し上げて、最後の編集後記とさせていただきます。
長い間、どうも有り難うございました。

(藤川哲史・EUSIメールマガジン編集担当)

卒業式シーズンでもあるこの時期は、多くの人々がそれまで通い慣れた学校や
職場から旅立つ時期でもあります。
漠然と将来英語の先生になりたいなと思っていた私にとって、高校時代の恩師
で英語の教師でもあった担任の先生より贈られた言葉のひとつが、「卒業式」
という意味を持つ英語でした。
卒業式は「graduation ceremony」と言う以外にも、英語で「commencement」
という言葉があります。
この「commencement」という言葉をみてすぐに気づくのが、「commence」とい
う部分+名詞をつくる「ment」という接尾辞が付いていることです。
「では”commence”とはどういう意味だと思う?」と訊かれ、誰ひとり答える
ことができなかった我々学生に対し、先生が教えてくれた答えは意外なもので
した――「”commence”とは”始める”という意味を持つ動詞なのだよ」
私の恩師のメッセージは、「卒業式とは日本では”終わり”というニュアンスが
強いかもしれないが、英語圏ではそうではない。むしろ”新たな始まり”を意味
する言葉なのだよ」というものでした。
2012年4月に始まったEUSIメールマガジンも、この3月で”卒業”を迎えることと
なりました。足掛け5年にわたり、これまで数多くのEUに関する情報や論考を
お届けしてきましたが、振り返って色々なことを思い返します。
始まった頃からの思い出については、第100号(2016年9月)の編集後記に書いて
ますが、この5年の間にギリシャ危機やウクライナ危機や英のEU離脱国民投票
など、数々の出来事が起こったこともあり、そのたびごとに読者が増えてゆく
ようになりました。ある意味で「EUとは何か」を理解したいという社会の中の
関心と反響に直接触れることができ、とても貴重な経験をさせて頂きました。
EUSI自体は活動を終了しますが、今後EUに関する何らかの機関が広報活動の
一環として新たな媒体をはじめる際に、このEUSIメールマガジンがひとつの
参考となるようでしたら、それこそが今後の”新たな始まり”へと繋がるのかも
しれません。
これまでお付き合い頂きました全ての皆様に感謝しつつ、筆を措きたいと思い
ます――

(林 大輔・EUSIメールマガジン編集担当)

EUSI (EU Studies Institute) in Tokyo

〒186-8601 東京都国立市中2-1 一橋大学マーキュリータワー3504・EUSI事務局
TEL: 042-580-9117 / E-mail: info@eusi.jp

ご意見、ご感想、配信登録・配信停止、その他メールマガジンについての問い合わせにつきましてはこちら
E-mail: info@eusi.jp