AI(人工知能)の活用が急速に広がる中、自社でAIシステムを開発するのは難しいという企業も多いのではないでしょうか。そんな時は、AI受託開発を専門とするベンダーに開発を依頼するのが得策です。
しかし、AI受託開発を手がけるベンダーは数多く存在し、どの会社に依頼すべきか迷ってしまう方も少なくないでしょう。本記事では、AI受託開発ベンダーの選び方のポイントと、おすすめのベンダーを詳しく紹介します。
AI受託開発とは?
AI受託開発とは、AI技術を活用したシステムやアプリケーションの開発を、専門のベンダーに委託することを指します。
自社でAIシステムを一から開発するには、専門的な知識とスキルを持つエンジニアが必要であり、多額の開発コストがかかってしまいます。また、AIの技術は日進月歩で進化しているため、常に最新の技術動向をキャッチアップしていく必要があります。
そこで、AI開発のノウハウを持つ専門ベンダーに開発を委託することで、自社にない技術力を補完し、スピーディーかつ高品質なAIシステムの構築が可能になるのです。
AIベンダーとは?
AIベンダーとは、AI技術を活用したソリューションやサービスを提供する企業のことを指します。AIベンダーは、自社で研究開発したAI技術を基に、客先のニーズに合わせてカスタマイズしたシステムを提供します。
大手IT企業からスタートアップまで、様々な規模のAIベンダーが存在します。それぞれの得意分野や強みを活かし、業界特化型のソリューションを提供するベンダーも増えています。
AIベンダーの選定に当たっては、自社のニーズにマッチしたサービスを提供できるかどうかが重要なポイントになります。
AI受託開発ベンダーの選び方のポイント
AI受託開発ベンダーを選ぶ際は、以下のような点に注目しましょう。
1. 技術力と実績
AIベンダーの技術力と実績は、最も重要なポイントの一つです。
- 機械学習やディープラーニングなど、AIの基盤技術に関する知見が豊富か
- 自然言語処理や画像認識など、特定の分野に強みを持っているか
- 類似のプロジェクトの開発実績があるか
- 大規模なデータ処理や高負荷な処理の実績があるか
これらの点を確認し、自社のプロジェクトを任せられるだけの技術力と実績があるかどうかを見極めましょう。
2. 開発プロセスと品質管理
AIシステムの開発では、高度なプロジェクトマネジメントが求められます。
- 要件定義から設計、開発、テスト、運用まで、一貫した開発プロセスを持っているか
- 進捗管理やコミュニケーションの方法は適切か
- 品質管理の体制が整っているか
- セキュリティ対策やデータ管理の方針は明確か
開発プロセスと品質管理の体制を確認し、安心して開発を任せられるベンダーを選びましょう。
3. 開発コストとサポート体制
AIシステムの開発コストは、プロジェクトの規模や複雑さによって大きく異なります。見積もりの段階で、コストの内訳や前提条件を明確にしておくことが重要です。
- 開発コストの見積もりは適切か
- 追加の機能開発や仕様変更に柔軟に対応できるか
- 納品後のサポート体制は充実しているか
- トラブル発生時の対応方針は明確か
開発コストとサポート体制を総合的に評価し、長期的に付き合えるベンダーを選びましょう。
4. 自社のビジネスへの理解度
AIシステムの開発では、業務の理解が欠かせません。
- 自社の業務内容やビジネスモデルをしっかりと理解しているか
- 業界特有の課題やニーズを把握しているか
- 自社のビジネスに合ったソリューションを提案できるか
- 自社のビジネスの将来像を見据えた提案ができるか
自社のビジネスを深く理解し、ビジネス課題の解決に役立つソリューションを提案できるベンダーを選ぶことが重要です。
おすすめのAI受託開発ベンダー
ここでは、国内でおすすめのAI受託開発ベンダーをいくつか紹介します。
1. 株式会社FRONTEO
設立 | 2003年8月 |
所在地 | 東京都港区 |
事業内容 | AIソリューションの開発・提供 |
特徴 | – 自然言語処理技術に強み – 独自のAIエンジン「KIBIT(キビット)」を開発 – 国内外で多数の導入実績 |
株式会社FRONTEOは、自然言語処理技術に強みを持つAIベンダーです。独自のAIエンジン「KIBIT」を開発し、文書解析や情報抽出、対話システムなど、幅広いソリューションを提供しています。
特に法律分野での導入実績が豊富で、国内外の大手法律事務所での利用が進んでいます。また、医療や金融、製造業など、様々な業界でのAI活用をサポートしています。
2. 株式会社ABEJA
設立 | 2012年9月 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
事業内容 | AIプラットフォームの開発・運営 |
特徴 | – 独自のAIプラットフォーム「ABEJA Platform」を提供 – 機械学習やディープラーニングの技術に強み – 大手企業との共同研究開発の実績多数 |
株式会社ABEJAは、機械学習やディープラーニングの技術を活用したAIプラットフォームを提供するベンダーです。「ABEJA Platform」と呼ばれる同社のプラットフォームは、データの収集から前処理、モデルの学習、デプロイまでを一貫して行えるのが特徴です。
製造業や流通、金融など、様々な業界の大手企業との共同研究開発の実績を持ち、実際のビジネス課題の解決に貢献しています。また、自社でAI人材の育成にも力を入れており、AIエンジニアの教育プログラムも提供しています。
3. 株式会社Cogent Labs
設立 | 2015年4月 |
所在地 | 東京都中央区 |
事業内容 | AI技術の研究開発およびコンサルティング |
特徴 | – 自然言語処理と機械学習の技術に強み – 金融や製造、医療など幅広い分野で実績 – 研究開発とビジネス活用のバランスを重視 |
株式会社Cogent Labsは、自然言語処理と機械学習の技術に強みを持つAIベンチャーです。金融や製造、医療、人事など、様々な分野でのAI活用を支援しています。
同社の特徴は、最先端の研究開発とビジネス活用のバランスを重視している点です。アカデミックな研究の知見を活かしつつ、実際の業務に適用可能なソリューションを提供することで、お客様の業績向上に貢献しています。
AI受託開発に関する口コミ・評判
実際にAI受託開発を利用した企業からは、以下のような声が聞かれます。
「自社だけでは開発が難しかったAIシステムを、スムーズに構築することができました。ベンダーの技術力の高さと、丁寧な対応に満足しています。」
(大手製造業のIT担当者)「当社の業務内容を深く理解した上で、最適なソリューションを提案してくれました。AIの導入によって、業務の効率化と高度化を実現できました。」
(金融機関のシステム企画担当者)「開発コストは予想よりも高くなりましたが、その分、高品質なシステムを構築できたので満足しています。運用面でのサポートも手厚く、安心して任せられるベンダーだと感じました。」
(小売業のマーケティング担当者)
一方で、課題や改善点を指摘する声もあります。
「ベンダーとのコミュニケーションが上手くいかず、開発がスムーズに進まないことがありました。もっと密にコミュニケーションを取れる体制が必要だと感じました。」
(流通業のシステム開発担当者)「AIシステムの性能は期待通りでしたが、社内での活用が進んでいません。ベンダーには、導入後の運用面でのサポートをもっと充実させてほしいですね。」
(教育関連企業のIT担当者)
まとめ:AI受託開発を成功させるために
AI受託開発を検討する際は、ベンダー選びが極めて重要です。本記事で紹介したポイントを参考に、自社のニーズにマッチしたベンダーを選ぶことが成功への第一歩と言えるでしょう。
また、開発を進める上では、ベンダーとの緊密なコミュニケーションが欠かせません。要件定義の段階から納品後の運用まで、ベンダーと二人三脚で進めていく体制を整えることが重要です。
AIは、ビジネスに大きな変革をもたらす可能性を秘めています。自社だけでは難しいAIシステムの開発も、適切なベンダーを選び、しっかりと協力していけば、必ず実現できるはずです。
AIの力を味方につけて、ビジネスの新たな可能性を切り拓いていきましょう。AI受託開発は、その第一歩になること間違いなしです。