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Gradio入門:Pythonで機械学習WebアプリをGUIで簡単に作る方法

こんにちは。機械学習モデルを開発する際、学習済みモデルをWebアプリケーション化して、ユーザーに使ってもらいたいと考えたことはありませんか?

そんな時に便利なのが、PythonのライブラリであるGradioです。

Gradioを使えば、数行のPythonコードを書くだけで、機械学習モデルのデモアプリを簡単に作成できます。しかも、HTMLやJavaScriptの知識は一切不要。Pythonの関数とGradioのコンポーネントを組み合わせるだけで、本格的なWebアプリが作れてしまうんです。

今回は、Gradioの基本的な使い方から、より実践的なテクニックまで、Gradioの魅力を余すことなくお伝えしていきます。

機械学習エンジニアの方はもちろん、Pythonでアプリ開発をしたいと考えている方にもおすすめの内容となっています。ぜひ最後までお付き合いください。

目次

Gradioとは?

Gradioは、機械学習モデルのデモアプリを、GUIベースで簡単に作成できるPythonのライブラリです。2019年にリリースされて以降、着実にユーザーを増やしており、2023年6月時点でGitHubのスター数は1.2万を超えています。

Gradioの主な特徴は以下の通りです。

  • わずか数行のPythonコードでWebアプリが作れる
  • HTMLやJavaScriptを書く必要がない
  • テキスト、画像、音声など様々な形式の入出力に対応
  • Hugging Faceとの連携が容易
  • Jupyterノートブックとの親和性が高い

Gradioを使うことで、機械学習モデルの開発からデモアプリの公開までを、シームレスに行うことができます。プログラミングが得意でない人でも、Gradioなら簡単にアプリ開発に挑戦できるでしょう。

Gradioの基本的な使い方

早速Gradioを使ってみましょう。まずはGradioをインストールするところから始めます。pip install gradio

pipコマンドを使って、Gradioをインストールします。これだけで準備完了です。

次に、Gradioを使ったシンプルなアプリを作ってみましょう。以下は、テキスト入力された名前に「Hello」を付けて返すだけのアプリです。import gradio as gr def greet(name): return "Hello " + name + "!" demo = gr.Interface(fn=greet, inputs="text", outputs="text") demo.launch()

この例では、以下のステップでアプリを作成しています。

  1. greetという関数を定義。この関数がアプリのバックエンド処理を担当。
  2. gr.Interfaceでアプリのインターフェースを定義。fngreet関数、inputsoutputsに入出力の形式を指定。
  3. launchメソッドでアプリを起動。

これを実行すると、自動的にブラウザが立ち上がり、アプリのページが表示されます。早速名前を入力してみましょう。「Hello」に続けて入力した名前が表示されたでしょうか?

このように、Gradioを使えばPythonの関数をWebアプリのバックエンドに簡単に組み込むことができるのです。

様々な入出力形式に対応

Gradioには、以下のような豊富な入出力コンポーネントが用意されています。

  • Textbox(テキスト入力)
  • Number(数値入力)
  • Dropdown(選択肢)
  • Checkbox(チェックボックス)
  • Image(画像)
  • Audio(オーディオ)
  • Video(ビデオ)
  • File(ファイルアップロード)
  • Dataframe(表形式データ)

これらを組み合わせることで、様々な形式のデータを扱うアプリが作れます。

例えば、以下は画像ファイルをアップロードすると、画像分類の結果を返すアプリです。import gradio as gr from tensorflow.keras.applications.mobilenet_v2 import MobileNetV2, preprocess_input, decode_predictions import numpy as np model = MobileNetV2() def predict(img): img = preprocess_input(img) pred = model.predict(np.expand_dims(img, 0)) return decode_predictions(pred, top=3)[0] gr.Interface(fn=predict, inputs=gr.Image(shape=(224, 224)), outputs=gr.Label(num_top_classes=3)).launch()

この例では、以下のようにGradioのコンポーネントを活用しています。

  • gr.Imageで画像入力コンポーネントを作成。shapeで入力画像のサイズを指定。
  • gr.Labelで予測結果を表示するラベルコンポーネントを作成。num_top_classesで表示するラベルの数を指定。

バックエンドではKerasの事前学習済みモデル「MobileNetV2」を使って画像分類を行っています。Gradioを使えば、こうした機械学習モデルのデモアプリも簡単に作成できます。

Gradioのコンポーネントは30種類以上あり、レイアウトのカスタマイズも柔軟に行えます。アプリのUIを自由に設計できるので、ユーザーにとって使いやすいアプリが作れるでしょう。

Hugging Faceとの連携

Hugging Faceは、自然言語処理や画像認識などの事前学習済みモデルを共有するプラットフォームとして知られています。GradioはHugging Faceとの連携が非常に容易です。

例えば、以下のコードは、Hugging FaceのGPT-2モデルを使って文章生成を行うアプリです。import gradio as gr from transformers import GPT2LMHeadModel, GPT2Tokenizer model = GPT2LMHeadModel.from_pretrained("gpt2-large") tokenizer = GPT2Tokenizer.from_pretrained("gpt2-large") def generate_text(input_text, num_return_sequences, num_beams): input_ids = tokenizer.encode(input_text, return_tensors='pt') output = model.generate(input_ids, num_return_sequences=num_return_sequences, num_beams=num_beams, early_stopping=True) return tokenizer.batch_decode(output) gr.Interface( generate_text, [gr.inputs.Textbox(lines=2, placeholder="Enter a prompt to generate text..."), gr.inputs.Slider(1, 5, value=1, step=1, label="Number of outputs"), gr.inputs.Slider(2, 10, value=5, step=1, label="Number of beams")], gr.outputs.Textbox(), examples=[ ["The quick brown fox", 1, 1], ["The quick brown fox", 2, 1], ["The quick brown fox", 2, 5], ] ).launch();

このようにHugging FaceのモデルをGradioアプリに組み込むのは非常に簡単です。from_pretrainedメソッドを使って事前学習済みモデルを読み込むだけで、すぐにアプリに活用できます。

Gradioで作成したアプリは、Hugging Face Spacesというサービスを使って無料で公開することもできます。Hugging Faceとの連携により、最先端の機械学習モデルを使ったアプリ開発が誰にでも行えるようになったのです。

ノートブック環境との親和性

Gradioは、JupyterノートブックやGoogle Colabなどのノートブック環境とも非常に相性が良いです。

ノートブック上でGradioアプリを起動すると、アプリの入出力をノートブック上で直接やりとりできます。機械学習の実験や検証を行う際に、とても便利に使えるでしょう。

以下は、ノートブック上でGradioアプリを起動する例です。import gradio as gr def greet(name): return "Hello " + name + "!" gr.Interface(fn=greet, inputs="text", outputs="text").launch()

ノートブックのセル上でこのコードを実行すると、その場でアプリが立ち上がります。ノートブック上でアプリの動作を確認しながら、モデルの開発を進められるのは大きな利点と言えるでしょう。

Gradioとノートブック環境の組み合わせは、機械学習の研究開発を大きく促進してくれるはずです。

Gradioのその他の使い方

Gradioは、機械学習以外の場面でも活躍します。以下のような用途にもGradioは使えるでしょう。

  • Webスクレイピングしたデータを可視化するアプリ
  • オープンデータを使った分析アプリ
  • 外部APIを組み合わせたマッシュアップアプリ

PythonでできることであればGradioでアプリ化できると考えて良いでしょう。バックエンドにPythonを使えるため、Pythonエコシステムの豊富なライブラリを存分に活用できるのも魅力の一つです。

アイデア次第で、Gradioの可能性は無限に広がります。読者の皆さんも、Gradioを使って独創的なアプリ開発にチャレンジしてみてください。

Gradioのインタラクティブ性を支える技術

Gradioで作るアプリは、ボタンクリックなどのイベントに応じて動的に振る舞うインタラクティブなUIを備えています。このインタラクティブ性は、主に以下のような技術で実現されています。

  1. コンポーネントの入力と出力の自動バインディング
  2. イベントリスナーによる動的な振る舞い
  3. ステートを持つコンポーネント
  4. Svelteを使ったフロントエンドの実装
  5. FastAPIを使ったバックエンドの実装

例えば、ユーザーがテキストを入力すると、その内容がPythonの関数に自動的に渡され、関数の出力がUIに反映されるといった一連の流れは、これらの技術の組み合わせにより実現されているのです。

Gradioの内部では、最新のWebフレームワークが縦横無尽に活用されており、シンプルなPythonコードから高度なインタラクティブ性が生み出されています。Gradioを使う私たちは、その恩恵に与っているというわけです。

まとめ

GradioはPythonユーザーにとって、非常に魅力的なWebアプリ開発ツールです。機械学習モデルのデモアプリ作成を始め、様々な場面で活躍してくれるでしょう。

Pythonでアプリを作りたいと考えている方は、ぜひGradioを使ってみてください。数行のコードを書くだけで、本格的なWebアプリが作れる感動を味わえるはずです。

Gradioのおかげで、機械学習モデルのデモアプリが簡単に作れるようになりました。Hugging Faceで公開されているモデルも、数行のコードでアプリに組み込めるのは本当に便利です。UIのカスタマイズ性も高いので、ユーザーに使いやすいアプリが作れています。Gradioは機械学習エンジニアの強力な味方ですね。

Gradioの登場により、Pythonでのアプリ開発のハードルは大きく下がりました。機械学習の面白さを多くの人に伝える機会も増えるでしょう。

Pythonでアプリを作ってみたいという方は、まずはGradioを触ってみることをおすすめします。きっとGradioの虜になってしまうはずですよ。

それでは、Gradioを使った楽しいアプリ開発ライフを!

Gradioインストール方法

Gradioは以下の方法でインストールできます。

1. pipを使ったインストール(推奨)

pip install gradio

pip(Pythonのパッケージ管理ツール)を使って、Gradioをインストールします。管理者権限が必要なので、必要に応じてsudoをつけてください。

2. Condaを使ったインストール

conda install -c conda-forge gradio

Anacondaを使っている場合は、condaコマンドを使ってGradioをインストールできます。

3. ソースコードからのインストール

git clone https://github.com/gradio-app/gradio.git cd gradio pip install -e .

Gradioの最新の開発バージョンを使いたい場合は、GitHubからソースコードをクローンして、pip install -eでインストールします。

インストールしたGradioのバージョンは、以下のコマンドで確認できます。import gradio as gr print(gr.__version__)

Gradioは活発に開発が進められているので、定期的にバージョンアップすることをおすすめします。バージョンアップは以下のコマンドで行います。pip install --upgrade gradio

以上で、Gradioのインストールは完了です。早速Gradioでアプリ開発を始めてみまし

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